苦手な上司にプロポーズすることになりました

 だが、彼女のことで、覚えていることもあるぞ。

『悪の組織の人かもしれないですしね』

『何処かの会社のスパイかもしれませんし』

 ……いや、それは薬川の妄言だったな。

 ぼんやりした彼女の言葉より、そのセリフの方がインパクトがあった。