苦手な上司にプロポーズすることになりました

 (とが)められたのかと思ったらしい礼央が、ひゃっ、と妙な声を上げて飛び上がる。

「い、いえ、佑茉先輩を見ていたわけではっ」
と自分でバラした。

 かなり、動揺しているようだった。

「お前、薬川が好きなのか?」

「ぼ、僕はそのっ。
 佑茉先輩には憧れてるだけでっ。

 僕が好きなの、別の人ですしっ」

 受付にいる、小さくて可愛い感じの派遣社員の子が好きなのだと礼央はしゃべった。

「なにっ?
 お前、ほんとうに薬川を好きなわけじゃないのかっ?」

 薬川以外の選択肢があるのかっ、という勢いで由人は詰め寄る。