苦手な上司にプロポーズすることになりました

 
 

 お昼前、廊下を歩いていた由人は、曲がり角から渡り廊下の方を覗っている礼央に気がついた。

 うん?
 あれは確か、『余計なことを言う菅谷礼央』。

 礼央は渡り廊下を歩いている佑茉を見ているようだった。

 確かに後ろ姿でさえ、薬川は惚れ惚れするほど美しい。

 例え、友だちと馬鹿笑いしていても……。

 別に自分は佑茉の身内ではないのだが。

 彼女にうっとり見惚れている可愛い顔の後輩の姿に、親兄弟のように誇らしく思ってしまう。

「なにしてるんだ?」
 佑茉を見ているとわかっていて、由人は礼央に、そう声をかけた。