苦手な上司にプロポーズすることになりました

 いや、友だちに送るときは、そういう愉快なスタンプの方がいいんですよ、と心の中で言い訳をする。

 月の光のせいかもしれないが、由人はいつもより、元気がないように見えた。

 そんな彼を見上げ、ちょっと困ったように佑茉は言う。

「あの~。
 私、弱っている人に弱いので、それ以上、弱らないでくださいよ」

「……それは、このまま俺が弱っていると、俺を好きになるということか?」

「そんな予定はないですが。
 もし、私があなたを好きになったらどうします?」

 由人は真顔のまま小首を傾げ、
「……困るかな」
と言った。

 ――困るんだ?

 まあ、私も、私が好きになったら困る、とかいう人を好きになったら困るかな。