二人で家に向かって歩く。 前を歩いているおじいさんとおばあさんが、長い塀と高い木々が続いているのを見上げ、話しているのが聞こえてきた。 「これは美術館?」 いいえ、うちです。 佑茉の頭の中で、何故か英語の教科書が浮かぶ。 『これは美術館ですか?』 『いいえ、美術館ではありません』 「そういえば――」 と由人が言いかけたとき、彼のスマホが鳴った。 「ん? 母からだ」