苦手な上司にプロポーズすることになりました

 


 佑茉が洗面所に立ったとき、
「すごい遠回しな殺し文句ですね」
と若いヒゲ面の店長が笑って言ってきた。

 は? と由人は店長を見上げた。

「いやー、だって彼女のこと、ベタ褒めじゃないですか」

 聞いてる方が照れちゃいました、と店長は言う。

 いや、どの辺がだと思った。

 一般的には褒め言葉だったのかもしれないが、俺にとっては褒め言葉ではない。

 だがまあ、別に俺の好みでなくていいわけだから、あいつにとっては褒め言葉なのかな、とも思う。