苦手な上司にプロポーズすることになりました

 また行こうな?

 何処行ったんだ? 二人で。

「何処行ったの? 二人で」
と佑茉の近くの席の女性、伊藤がニコニコしながら佑茉に訊いた。

 伊藤は佑茉の母親くらいの年の女性だ。

 会社に長くいる上に、事務系の達人なので、いろんなことに精通していて、課長だろうが、部長だろうが、彼女に頭が上がらない。

「ああ、カラオケに行ったんですよ、みんなで夜」

 今度、伊藤さんもどうですか?
と佑茉が訊いている。

 みんなでカラオケだったのか。

 ありがとう、伊藤さん。
 神―― と静かに由人は心の中で手を合わせた。