苦手な上司にプロポーズすることになりました

 

 その日は結局、佑茉には会わなかった。

 同じ家の何処かにはいたのだろうが。

 バスも朝、一緒ではなく。

 ちょっとホッとしていた。

 佑茉とはただの同居人のようなものなので、別の女性を可愛いと思っても、やましいと思う必要などないはずなのに。

「おはようございます~」
と佑茉が陽気に職場にやってくる。

 ……会うよな、同じ部署だもんな。

 っていうか、遅いぞ、お前、と思ったとき、佑茉より二年先輩のイケメン男性社員が佑茉に近づき、

「薬川、また行こうな」
とポン、と佑茉の肩を叩いて行った。

「あ、はい」
と佑茉は笑顔で返している。