無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



「もう、仕方ないなぁ。
じゃあ玲奈ちゃん、また話そうね~」

「そうですね。
玲奈さん、またどこか出かけましょう!」

「お前らいい加減にしろよ……」


笑顔で私に手を振ってくる琥珀くんと颯太先輩に、そろそろ怒りが爆発しそうな一樹くん。

あぁ、見てるこっちがハラハラするよ……っ。


「じゃあ、玲奈、行こ?」


なんて思っていたのに、一樹くんは私を見るとにこっと笑って。

さっきまであんなに怒っていたのが嘘みたいに。
それに不思議に思いながらも、私も笑顔でうなずいた。

そして、一樹くんは私の手を引きながら、二人の横を無言で通り過ぎていく。
反対に、私は二人に手を振った。


それからしばらく歩くと、旧校舎の空き教室の前で一樹くんがぴたりと歩くのをやめて。

一樹くんにぶつかってしまいそうになり、慌てて私も足を止める。


「え……ここ?」

「そうだよ。ここなら人通りもないし、だれにも邪魔されないからね」