無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



一樹くんが少し早歩きで行くので、私は小走りじゃないとついていけない。


教室からはきゃああっとまた歓声が聞こえたけれど、振り向く余裕はなかった。


「一樹くん、どこに向かってるの……?」

「んー?内緒」

「ええっ……!」


教えてくれないの……!

一樹くんのことだから、問いただしても教えてくれないだろうと思い、私は大人しく一樹くんの後をついていくことにした。


「あれ、玲奈ちゃん?と染野くん?」

「あ、本当だ。玲奈さんと染野先輩」


しばらく歩いていると、前方の方からそんな声が聞こえて。

声のした方を見ると、そこには琥珀くんと颯太先輩が立っていた。


「あっ、颯太先輩、琥珀くん……!」


思わず足を止める。
そんな私に、一樹くんも足を止めてくれた。


「お久しぶりです……!」

「そうだね、玲奈ちゃん」

「なかなか話せなかったんで、寂しかったです」


笑いながら話してくれる二人に、こっちまで嬉しくなる。