無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



早歩きといっても、私のスピードに一樹くんが合わせてくれたのだけれど。

下駄箱で靴を履き替えて、教室まで向かう。

その間ですらもうわさは絶えなかったけれど、一樹くんが隣にいるからか、あまり気にしなくてすんだ。

それから、二人で教室に入ると、色々な人にわあっと囲まれて。


「染野くんと朝倉さんって、同居してるの……⁉」

「えっ、もしかして、付き合ってる……⁉」

「染野、どうやって朝倉さん落としたんだよ……⁉」


次々に飛び交ってくる私たちへの質問。

私たちを囲っているみんなに、一樹くんは、いつか見た穏やかな笑顔を見せて。


「うん、同居してる」


と、あっさりと白状してしまった。

あまりにもあっけなかったので、思わず一樹くんの方を見てしまう。


「い、いいの……?そんなあっけなく言っちゃって」

「うん。結局いつかバレてたでしょ」

「それはそうかもしれないけど……」