だから、消えてしまわないように私はぎゅっと横から一樹くんを抱きしめた。


「許すに決まってるよ……っ!
だから……、もう一人で抱え込まなくていいんだよ」

「……っ!」

「私を避けてた期間、きっと一樹くんはずっと自分を責め続けていたんでしょう?
私を嫌いになった理由が、羨望と妬ましさからくるものだったって」


きっと、そうなんだ。
一樹くんは、気まずくて私を避けたんじゃない。きっと怖かったからでもなくて。

ただ、私を嫌いになった理由が、八つ当たりだったことを責めていたんだ。
その事実と向き合うために、私と関わるのを避けていたんだ、きっと。


「私は一樹くんをまるごと許すよ。
だから一樹くんも、自分を許してあげて……っ」

「……っ、玲奈……」

「一樹くんは独りになったって言ってたよね。
周りがなんて言おうと、私だけは一樹くんの味方だから、もう一樹くんは独りじゃないよ」

「……っ」