無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



バスに乗り込んでから、病院に着くまでの十五分間は、これでもかと思うくらい長かった。

スマホで時間を確認しては、一分くらいしか経っていなかったり。

病院前のバス停に着くと同時に、僕はお金を払うと一目散に駆け出した。

絶対、嘘だ……っ‼無事でありますように……っ。
そんな思いを胸に秘めて、僕は病院の中へと入る。

案内所まで走っていると、周りの人から変な目で見られたり、注意されたりしたけれど、そんなの気に留める暇なんてない。

早く確かめなきゃいけないんだ……っ。

案内所まで行くと、女の人が立っていたから、僕は声をかけた。


「すみません……っ、染野美穂は、浩司は、瑞樹は……、無事ですか……っ⁉」


取り乱していた僕に、案内所の人は困惑しながら、諭すように声をかける。


「すみません、まず名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」

「染野一樹です……!」

「染野さん……、そうですか……。少々お待ちください」