だって、嘘に決まっているじゃないか。
いつもと変わらなかったのに。
急に死んだとかいうだなんて、どんな嫌がらせなの?僕に何の恨みを持っているの。
それでも嫌な予感はぬぐえなくて、足を止めずに走り続ける。
バス停に着いたときには、すでにバスが到着していて。
ドアが閉まりかけていたところを、僕は大きめの声で運転手さんに告げた。
「すみませんっ!乗ります!開けてください……っ!」
はあ、はあと肩で大きく息をしながら、その場に立ち止まった僕を見て、運転手さんはどこか困ったような顔をしながらもドアを開けてくれた。
その表情を見て、申し訳ないと思う暇もなかった。
頭の中には、ずっとあの女の人の言葉がぐるぐると回っていて、それしか考えられない。
どうしよう。本当に瑞樹と父さんが死んでしまっていたら。
僕が……、独りになってしまったら。
でも、そんなの嘘に決まっている。
嘘に決まってるんだよ……っ。

