無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



そこから、どうして家に電話が……?

嫌な予感が頭の中を駆け巡って、心臓がドクンドクン、と激しい音を立てる。
頭の中にまで響きわたる鼓動の音に、全身からあふれだす冷や汗。

ただ、どうか予感が違っていますようにと願いながら、僕は受話器を持つ両手をぎゅっと握りしめた。


『午前十時半ごろですかね……。
あなたのご家族が車を運転していたところ、猛スピードで走ってきたトラックと衝突し、交通事故を起こしました……』

「……え」


交通、事故……?
視界が徐々に暗くなっていく。


『小さな男の子――瑞樹くんは即死でした。
浩司(こうじ)さんは、緊急搬送されたのち、死亡が確認されました。
美穂さんは、まだ昏睡状態ですが、だいぶ危うい容体です……』

「……っ」


声が出ない。
なんで、どうしてだよ……っ。

つい数時間前まで笑顔だったじゃないか。
行ってきます、っていつも通り出かけて行っただけなのに。