無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



「どういたしまして」


このとき、朝倉さんへの〝好き〟を自覚した。


……はずだった。





その次の休日。


「兄ちゃんー!
父さんと母さんと出かけるんだけど、兄ちゃんも行くー?」


朝食後、なんとなくスマホを触っていると、弟の瑞樹(みずき)が満面の笑みで僕にそう声をかけてきた。
まだ小三だからか、だいぶ幼く感じる。


「出かけるって、どこに?」

「えっと、隣町のデパート!
その中にあるゲームセンターで遊ぶんだっ」


うーん、ゲームセンターか……。

正直言うと、ああいう空間はあまり好きじゃない。
そもそも、クレーンゲームとかは得意じゃないし。

僕は、ふるふると首を横に振った。


「僕、ゲームセンターはあまり好きじゃないし、いいかな」

「えー!兄ちゃん行かないの?」

「うん、ごめんね。
また機会があったらどこか行こうね」

「……約束だからね‼」


分かりやすくしゅんとする瑞樹の頭を、ぽんとなでる。