「どういたしまして」
このとき、朝倉さんへの〝好き〟を自覚した。
……はずだった。
*
その次の休日。
「兄ちゃんー!
父さんと母さんと出かけるんだけど、兄ちゃんも行くー?」
朝食後、なんとなくスマホを触っていると、弟の瑞樹が満面の笑みで僕にそう声をかけてきた。
まだ小三だからか、だいぶ幼く感じる。
「出かけるって、どこに?」
「えっと、隣町のデパート!
その中にあるゲームセンターで遊ぶんだっ」
うーん、ゲームセンターか……。
正直言うと、ああいう空間はあまり好きじゃない。
そもそも、クレーンゲームとかは得意じゃないし。
僕は、ふるふると首を横に振った。
「僕、ゲームセンターはあまり好きじゃないし、いいかな」
「えー!兄ちゃん行かないの?」
「うん、ごめんね。
また機会があったらどこか行こうね」
「……約束だからね‼」
分かりやすくしゅんとする瑞樹の頭を、ぽんとなでる。

