無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



思わず下を向く。


今度こそ、絶対呆れられた……っ。
これからは、ちゃんと気をつけなきゃ……。


そう反省を繰り返していると、突然ガシッと両肩を掴まれて。



「え……っ」



驚いて顔を上げると、心配そうに眉を下げた一樹くんと目が合った。


……なんで、そんな顔して……。



「アイツがどうやってここが分かったのか、俺は知らねぇし、そいつが一番悪いけどさ」



一樹くんが、真っ直ぐに私を見つめるから、心臓がとくんっと音を立てる。



「玲奈は、…っ、可愛いんだから!!
玲奈に気がある男なんて星の数ほどいるわけ」

「へ……っ」



少し頬を赤くした一樹くんに、こっちまで赤くなってしまう。


可愛いって……っ、やっぱり言われ慣れないよ……っ。
私が美化されすぎてる……っ。



「……だから、もっとそのこと自覚して。
俺が守ってやるけど、いないときもあるでしょ」

「な……っ!!」