廊下に行こうとしていた足を引き返して、教室の方へと足を踏み入れる。
一樹くん、どこにいるかな……。
まず、なんとなしに一樹くんの席の方へと視線を向ける。
そこには、頬杖をつきながら座っている一樹くんがいて。
そして、その周りにはいつものようにいろんな人が囲んでいる。
話しかけてくる女の子には目もくれず、男の子にはたまに相槌を打ったりしていた。
……そういえば、女嫌いなんだっけ。
一樹くんは、いつから女嫌いになってしまったんだろう。
少なくとも、あの頃は男女問わず仲よくしていたような……。
どうやって話しかけよう、と考えをめぐらしていたときだった。
一樹くんの視線がふとこちらに向いて、パチッと目が合う。
「……っ」
すると、一樹くんがガタッと席を立って、私の方へ向かってきて。
……えっ。
「……どうしたの、玲奈」

