無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



寂しく感じるけれど、今はそっとするべきなのも分かっていて。


どうしたらいいんだろう……っ。



「私、そろそろ家出るね。いってきます」

「……うん」



玄関につながる扉に手をかけながら、一樹くんにそう声をかけた。


一樹くんはテーブルの前に立ったまま、私のほうを見ることもなくうなずく。


それにまた不安になりながらも、私は家を出た。


──────


午前中の授業も残り一時間になった休み時間。



「朝倉、ちょっといいか」



お手洗いに行こうと教室を出ようとした矢先、担任の先生につかまってしまった。


……もう雑用はさすがに勘弁してほしいけど……。


この間の放課後みたいな雑用じゃありませんように、と思いながら私は返事をする。



「はい、なんでしょう?」

「染野だけ、先週の課題が出ていなくてな。
朝倉、最近染野と仲がいいだろう?
早く提出するように伝えといてくれないか」