あやまるわけを知りたいけれど、私が安易に彼の心のうちに踏み込むわけにはいかない。
ゆっくりと体を離して、一樹くんと目を合わせる。
苦しそうにゆがめられた一樹くんの瞳から、一粒だけ涙がこぼれおちた。
*
その日から、一樹くんは私と距離をおくようになった。
私を会話することはおろか、食事もあまりとらなくなって。
正直心配で仕方がない。
「一樹くん、朝ご飯作ったから、ぜひ食べて」
「あー……、うん」
学校に行くために家をでる直前。
いつもより遅めに起きてきた一樹くんに、私はそう声をかける。
もちろん、返事はそっけない。
……食べてくれると、いいんだけど……。
最近は食べる余裕もないのか、テーブルの上にご飯が置きっぱなしになっていることもある。
今日は食べてくれるかな。
同居が始まってからは、一緒に登校することが多かったのだけれど、最近はそれすらもない。

