無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



あやまるわけを知りたいけれど、私が安易に彼の心のうちに踏み込むわけにはいかない。


ゆっくりと体を離して、一樹くんと目を合わせる。


苦しそうにゆがめられた一樹くんの瞳から、一粒だけ涙がこぼれおちた。





その日から、一樹くんは私と距離をおくようになった。


私を会話することはおろか、食事もあまりとらなくなって。


正直心配で仕方がない。



「一樹くん、朝ご飯作ったから、ぜひ食べて」

「あー……、うん」



学校に行くために家をでる直前。


いつもより遅めに起きてきた一樹くんに、私はそう声をかける。


もちろん、返事はそっけない。


……食べてくれると、いいんだけど……。


最近は食べる余裕もないのか、テーブルの上にご飯が置きっぱなしになっていることもある。


今日は食べてくれるかな。


同居が始まってからは、一緒に登校することが多かったのだけれど、最近はそれすらもない。