無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



私はその背中に手を回して、ぎゅっと抱きしめた。



「大丈夫、だから」



さっき一樹くんが、私にそうしてくれたように、私もそんな言葉をかける。


すると、一樹くんもためらいがちに私をぎゅっと抱きしめて。



「ごめん……っ」

「……え?」

「ごめん、玲奈……。本当にごめん……っ」



どうして……?


何回も、一樹くんは私にごめん、と繰り返す。


なんでそんなことを言うのかと、不思議になりながらも、私はまたぎゅっと一樹くんを抱きしめる。


……何があったのかは分からない。


でも、今、一樹くんの身に何かがあったことだけは、確かなんだ。



「大丈夫だよ。大丈夫、だから……」



とにかく一樹くんには安心してほしくて、私は大丈夫だと繰り返す。


だけど、一樹くんはふるふると首を横に振った。



「……ごめん……っ」

「あやまらないで、一樹くん」