無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



思わず息をのむ。


だって……、その表情はあまりにも呆然としていたから。


一樹くんは、私を視界に入れると、苦しそうに顔を歪めた。



「一樹、くん……」



……あぁ、なんでそんな表情をするの。



「……まだ、痛むの?」



私の言葉に、一樹くんはふるふると首を横に振る。


一言も言葉を発さない一樹くんに、心配と不安の気持ちが大きくなった。


……どうして、一樹くん。


……何が、あったの……?


しばらく視線を重ならせたままでいると、一樹くんが私の腕をとった。



「へ……っ」



そのまま引っ張られ、二人でベッドに横になる。


すると、次の瞬間には目の前が暗くなって。


一樹くんに抱きしめられたのだと悟るのに、時間はかからなかった。


だけど、いつもと違い、その体は震えていた。



「一樹、くん?」



抱きしめられているから、声がくぐもってしまう。