無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



一樹くんにもちゃんと届くように、少しだけ声をあげて名前を呼ぶ。


すると、優しくドアが開かれて。


一樹くんの姿が現れたとき、私の体は勝手に一樹くんのほうまで動いていた。



「ふ……うぅ、一樹くん……っ」



無意識に一樹くんの胸元に抱きつき、彼の名前を呼ぶ。


なんとか状況を説明しようと思い、一樹くんにしがみつきながら、口を開いた。



「わ、私、雷苦手で……っ。
ひとりは怖くてっ、だ、から、一緒にいて、ほしくてっ」



そこまで言うと、視界がふわっと暗くなった。


でも、甘い柑橘系のにおいが鼻をかすめたのと、ぬくもりを感じたのとで、抱きしめられたのだと理解した。


……安心する……。


ひとりは、心細かったから……。



「もう大丈夫だから。俺がいるから、ひとりじゃない」

「ふ……うぅ……っ」

「こんなときまで可愛いとかなんなの……」



一樹くんが何かをつぶやいた気がするけど、うまく聞き取れなかった。