無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



どうしよう、どうしよう。


怖い。怖いよ……。


クッションをぎゅっと握ってなんとか耐えるけれど、怖くて目に涙がたまり始める。


一樹くんのいるところまで行きたいけれど、足がすくんで動けない。


ゴロゴロ……。



「……っ、うぅ……」



家に落ちないよね……?


そう思うと余計怖くて、またクッションをぎゅうっと握りしめる。


怖くて仕方なくて、体が小刻みに震え始めた。


……これ以上、ひとりは怖いよ。


本能で、一樹くんを求めてしまう。


一樹くん、助けてほしい。


ひとりに、しないで……っ。



「一樹、くん……っ」



そう彼の名前を口にしたときだった。


──コンコン。


部屋の扉をノックする音が響いて。


肩がぴくりと跳ねる。



「玲奈?」



扉の外から聞こえた、優しい声に涙があふれる。


……一樹くんだ。



「一樹、くん……っ!」