……一樹くんだから、なのかな。
「ところで朝倉さん、家族はいる?」
一樹くんも、一緒に帰ってくれるのなら。
私はこくん、と大きくうなずく。
「はい! います!」
「ふふ、それじゃあよかったわ。
気をつけて帰ってね」
温かな先生の笑顔に見送られ、私たちは保健室を後にした。
今の授業は体育で教室には誰もいないので、そのすきにカバンを取ってから、2人で下駄箱へと向かう。
そして、靴を履き替えて校舎を後にした。
外に出ると、雨はすでにやんでいて、太陽が少しだけのぞいている。
「玲奈」
「な、なぁに?」
風邪のせいで、頭がぼうっとする。
そんな頭で拾った一樹くんの声に、私はなんとか反応した。
「……そんなに体調悪かったなら、ちゃんと俺に言って」
「……ごめんね。今朝の段階では大丈夫だと思って」
「細かいことでもいいんだよ。
俺が玲奈のこと気にかけたいから」
「……っ、ありがとう」
一樹くん、こんなときにまで優しいな……。
私はふわりと笑顔を浮かべた。

