無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



チラッと、一樹くんのほうを見る。


すると、一樹くんとパチッと目が合って。


ドキッとしたのもつかの間、一樹くんは口角を上げた。


……?



「先生、玲奈が心配なので俺も帰ります」

「え? 染野くんは健康でしょう?」

「玲奈が心配でいてもたってもいられません」

「ちょ、何言ってるの一樹くん……!!」



変なことばっかり言わないでよ……っ。


一樹くんまで早退させたら、申し訳ない。


先生は一樹くんを見て、はあ、とため息をついた。



「……仕方ないわね。今回は見逃してあげる」

「あざっす」

「えっ、ちょっと……!!」



一樹くんまで早退するの……!?



「い、いいの、一樹くん」

「俺が玲奈と一緒にいたいだけだから」

「な……っ」



そう言って、一樹くんは私の頭をなでた。


とくんっ、と心臓がはねる。


頭をなでられるのって、ドキッとするけど、とても心地いいな。