無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる

それでも、体はぼうっとするし、ふわふわする。


風邪をひいているせいも、あるのかもしれない。



「……っはぁ。なんでそんなに可愛いの」

「可愛い……?」

「目もとろんとしちゃってさ。
余計困らせたくなる」

「えぇ……?」



一樹くんがよく分からないことを言いながら、またキスをしようとしたそのとき。


──ザッ


ベッドのカーテンが、開かれて。


慌てて一樹くんから少しだけ離れて、カーテンの方を見る。


そこには、保健室の先生が立っていた。



「あら、朝倉さん、目が覚めたのね。
それと、染野くん、まだいたの?」

「……先生、玲奈との時間邪魔しないでください」

「こんな染野くんを本気にさせるなんて、朝倉さん、いったい何したの……」



驚いたような困ったような声の先生に、私はふるふると首を横に振る。