無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



「……ねぇ、玲奈」



やけに重く、真剣な声をした一樹くんが、私の名前を呼ぶ。


雨はいまだ激しく地面を打ち付けているのに、そんな音は聞こえない。


彼の声に、神経が集中している。



「ちょうど、中2のときにさ、俺が二週間くらい学校を休んだこと、覚えてたりしてる?」

「あっ、うん。覚えてるよ」



助けてもらったすぐの平日、一樹くんにお礼を言おうと思ったんだけど、一樹くんは学校に来なかったんだ。


そういえばあのとき、二週間くらい休んでたんだっけ。



「さっき玲奈が話した出来事って、そのくらいの時期に起きたものだったりする……?」

「……えっ」



一樹くんが言ったことはドンピシャで、思わず驚きの声をあげてしまう。


私が話したことは分からない感じだったのに、そこだけ当ててしまったのだから。



「……うん。そうだったよ」

「そっか……」