私が琴葉ちゃんの名前を呼んだものだった。
ちょっと、さっきのは私を過大評価しすぎかもしれないけれど……。
純粋に、ただただその言葉が嬉しかった。
琴葉ちゃんが、水野さんたちにそう言い返してくれたのが嬉しかった。
……だから。
「……もういいよ、琴葉ちゃん」
「玲奈……」
「私は、私は大丈夫だから。
琴葉ちゃん、言い返してくれてありがとう。
嬉しかったよ」
私が言える精一杯の本音だ。
言葉たらずで、単純すぎる言葉だけれど、わたしがみんなの前で言うには精一杯なんだ。
琴葉ちゃんは、驚いたように、まっすぐに私を見つめている。

