押されて線路に落ちそうになった私を、迷わずに助けてくれた。
あ、そういえば。
あのときのお礼、まだ言えてない……。
言わなきゃ……!
あの日、結局言おうと思ったけど、言えなかったんだ。
突き放されてしまった、あの日。
「あの、一樹くん」
「ん?」
「中2のときに、おじさんに押されて、私が線路に落ちそうになった日のこと、覚えてる……?」
「……え?」
私の言葉に、一樹くんは目をしばたかせた。
驚いたように、目を見開いている。
「あの日、一樹くん、迷わずに私のこと助けてくれたよね」
「……え」
「私、一樹くんに命を救われたって言っても、過言じゃないの」
……ちゃんと、伝えなきゃ。
「ありがとう……っ! 私のこと、助けてくれて」
「……」
「ちゃんとお礼、言えてなかったんだ。だから……」
……やった、ちゃんと言えた。
私にとって、三年越しの言葉だよ……。

