無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



ち、近い……っ!


思ったよりも、傘の中に二人って、近い。


たまに体が触れたりとか、時々香るにおいとか……っ。


そういうの全部にドキドキしてしまう。


傘も一樹くんに持たせちゃってるし、負担になってないかな……。



「一樹くん、傘持つの、代わるよ」

「んーん、平気。玲奈は隣にいてくれるだけでいいから」

「えっ、でも……」

「大丈夫だって。こういうのは男の仕事でしょ」



そう笑った一樹くんは、私の頭にぽんっと手をのせる。


え……っ。


途端に顔が熱くなる。


こういう不意打ちはダメなんだよ、一樹くん……っ。


ドキドキしちゃうから……。


ふと、一樹くんを見上げる。


いつもこうやって一樹くんは、率先して私を助けてくれる。


今日だって傘を貸してくれた。雑用を手伝ってくれた。


そして、あの日……。