無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



そう思ってした提案だったけれど、一樹くんは心底不思議そうな顔をして、私を見ていて。



「なに言ってるの、玲奈」

「え……?」



なにか変なこと、言ったかな……?



「二人でこの傘を使うに決まってるじゃん」



二人で傘を、使う……?


えっと、それは、二人で一つの傘の中に入るってことで……。


そこまで考えて、ぽっと顔に熱が灯った。



「えっと、一樹、くん?」

「ん?」

「そ、それって、つまり……」

「そう、相合傘」



相合傘……っ⁉


そう私がうろたえているうちに、一樹くんは歩いて行ってしまう。



「はい、玲奈」



一樹くんは傘を広げると、私の方へと差し出してくる。


えっと、入ってって、ことだよね……?


困惑しながらも、私はおそるおそるその傘の中へと入った。



「うん、いい子」



そう一樹くんは私を見て笑ってから、校門に向かって歩き出す。