無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



なんてことを口走ってしまったんだ、私は……‼


私の言葉に、目をギランとオオカミみたいに光らせた一樹くんは、私の耳元に唇を寄せて。



「……覚悟しとけよ、玲奈」



ひぃ……っ!


家に帰ったら、何が起きるんですかぁっ!


いつもより少しだけ低くて、甘ったるい声に、心臓がドキドキと早鐘を打ち始める。



「じゃあ、早く帰ってイチャイチャしようね」

「イチャイチャ……っ⁉ 何言ってるの……!」



私の慌てた声は無視して、一樹くんは私の手を引いて、歩き出す。


一樹くんはよほど早く帰りたいのか、ずんずんと歩いていくから、私は小走りにならないとついていけない。


それから、靴を履き替えて、昇降口まで行くと。


――ザアザア……



「……雨?」

「結構降ってんな」



結構な音を立てて、雨は激しく地面をたたきつけている。


ど、どうしよう……。