最初から、私はそうだったよ。
一樹くんしか、見えてない。
「玲奈、可愛いね」
「ひゃ……っ!?」
突然耳元で、一樹くんが甘い声でそう言った。
吐息まじりの声に、耳がくすぐったい。
かああっと耳まで真っ赤になっていく。
「ははっ、耳真っ赤だよ?」
「ちょ、一樹くん……っ。
それ、やめて……? く、くすぐったい……っ」
またもや耳元でそうささやく一樹くん。
それに、吐息がかかったところがくすぐったくなってしまう。
「……可愛い。可愛いよ、玲奈」
「ふ、ふふ……っ。
だ、から、やめてってば……っ」
くすぐったくて仕方なくて、笑いが零れてしまう。
そんな私に気づいたのか、一樹くんは顔をあげて、私と目を合わせた。
「……今の状況で理性保ててる俺を、褒めてほしい」

