それなのに……。
一樹くんったら、意地悪。
──────
疲れたぁ……。
作業が終わったときには、6時になろうとしていた。
窓の外の景色は、藍色の空に包まれている。
「……疲れたな」
「うん。
でも、一樹くんが来てくれたから、早く終わったよ! ありがとう……!」
一樹くんは、私よりも2、3倍速いスピードで作業をしてくれたんだ。
どうやったらあんなに速くできるのか不思議だけれど、ともかく一樹くんが来てくれてよかった。
そうじゃなきゃ、とてつもない時間がかかっていたはずだ。
「あのクソ教師……。
玲奈に大量の雑用おしつけやがって……」
「ちょ、一樹くんっ!? 私は大丈夫だよ……?」
突然不機嫌そうに、低い声でそうつぶやいた一樹くんを、あわててなだめる。
ちょっと、この量は大変だったけど……。

