また、胸がチクリと痛んだ。



「外見だけで人を判断するんじゃないわよ」



……っ。


琴葉、ちゃん……。


少しずつ、つい今負ってしまった胸の傷がいえていくのを感じる。



「あんたたちさ、実際玲奈がどんな子なのか知ってるの?」

「知るわけないでしょ。
だってあの子、全然話してくれないんだよ?」

「知らないのに、玲奈の悪口言ってるの?」



いらだちを含んだ琴葉ちゃんの声が、どんどん大きくなっていく。


……全然話してくれない、か。


そういえば、二年生になってすぐ、水野さんが話しかけてくれたときがあったっけ……。



『ねえねえ、玲奈ちゃんっていうんだよね?
友達になってほしいな』