無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



なんとなくスマホを取り出して、十分くらい触っていたとき。



──コンコン



部屋の扉を数回ノックする音が聞こえて。




「……入ってもいい?」




と、扉の外側から一樹くんの声がした。



……一樹くん?



どうして……?



不思議に思いながらも、私は「うん」とうなずいた。



すると、ゆっくりとその扉が開いて、不機嫌そうな一樹くんが現れて。



……あれ、どうしてそんな表情を……。




「……あれ、着替え終わってるじゃん」


「えっ、うん、そうだよ……?」


「俺、待ってるって言ったよね?」


「へ……っ?」




一樹くんが、待ってるって言った……?



えっ、待って、いつの話……。




『じゃあ、着替えてくる……!』


『うん、待ってる』



あ……!



本当だ、言ってた……!



どうしよう、聞き流してた……っ。