無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



私にとって、琥珀くんが大切な人であることに変わりはないよ。



そんな思いを胸に秘めて、私は言葉を紡いだ。




「それでは、また会いましょう、玲奈さん」


「あっ、う、うん……っ!」


「俺はそろそろ帰ります。

玲奈さんも気を付けてくださいね」




そう言って、琥珀くんは私に手を振った。



そして、スタスタと歩きはじめる。



私はその背中に向かって、声をかけた。




「またね、琥珀くん!」




私の言葉に琥珀くんはふっとほほ笑んだ。



そして、屋上の扉を開けて、琥珀くんは行ってしまった。



しばらくその扉を見つめた後、私も屋上から校舎へと入る。



琥珀くんに好きだって言われるなんて、思いもしなかったな……。



でも、純粋に嬉しかったなぁ……。



誰かに好きだと言われることは、きっと幸せなことだと思うから。



それでも、これからも、変わらず琥珀くんと仲良くしたい。



そんなことを強く思った。