うぅ……、私、こういうの苦手なんだよね……。
そういえば、なんであのとき、一樹くんは私がそれを苦手なことに気づいたのかな。
今までそんなこと、言われたことなかったのに……。
一樹くんって本当は、よく周りを見ているのかもしれない。
人の感情に敏感だったりするのかな……。
何かきっかけがあるたびに一樹くんのことを考えてしまって、一樹くんが好きだなぁと、しみじみと感じた。
……早く、会いたい。
「玲奈さん、ここ入ります」
琥珀くんの声に思考を中断させて、ぱっと顔をあげる。
そう言って琥珀くんが押した扉は、屋上へと続くものだった。
「えっ、屋上って入れるの?」
「入れるみたいです。
普段、人はあまり来ないんですけどね」
「そうなんだ。
知らなかった……」
屋上に行くなんて、初めてだな……。
琥珀くんは何度か来たことがあるのか、慣れた手つきで屋上へと入る。

