無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる






「……玲奈さんっ!」




それからしばらく時が経ったある日。



放課後、カバンを持って廊下に出ると、教室の前に琥珀くんがいて。



彼は私の姿を発見すると、顔をほころばせて私の名前を呼んだ。




「琥珀くん? どうしたの?」




私の言葉に、琥珀くんはどこか真剣な表情をしながら、私をまっすぐに見つめて口を開く。




「……玲奈さんに、伝えたいことがあって」


「……私に、伝えたい、こと?」


「はい」




伝えたいことって、なんだろう……?



そう不思議に思っていると、琥珀くんはくすりと笑って、私に手招きをした。




「ちょっと、来てもらえませんか?」


「うん、分かった」




私は、琥珀くんが進んでいく方向へと、ぴたりと後ろをついて歩いた。



ときどき、ちらほらと周りからの視線や話し声を感じて、そのたびに心臓が嫌な音を立てる。