無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



そして、ずんずんと水野さんたちのもとへ向かっていく。


えっ、ちょ、ちょっと琴葉ちゃんっ!


な、何しに行くつもり……?


わけもわからず、ただぽけっと琴葉ちゃんの姿を目で追う。


そして、水野さんの前に仁王立ちをした琴葉ちゃんは、見たこともないくらい怖い顔をして、彼女たちをにらんだ。



「なに玲奈の悪口言ってんの?」



……っ。


こ、琴葉ちゃん、まさか……。



「は? 別に悪口なんて言ってないんですけどー」

「私たちはただ事実を言ってるだけだし」

「ねー」



う、こ、こわ……っ。


水野さんたちはお互いに顔を見合わせて、にこにこと笑っている。