おそるおそる一樹くんの方を見る。
すると、私の視界には片手で口元を覆って、私から目を逸らしている一樹くんが映った。
……っ、へ。
その顔はどこか赤く染まっているように見えて。
どきんっ、と心臓が跳ねる。
「……っ、玲奈っ」
「ひゃ……っ!?」
突然、一樹くんに腕を引っ張られた次の瞬間。
この間と同じ、甘い柑橘系の匂いがして。
一樹くんの両腕が私の背中に回って、ぎゅうっと抱きしめられる。
「え……っ!?」
なんでまた私、抱きしめられて……っ。
ぱっと顔を上げると、一樹くんの熱のこもった瞳とぶつかった。
「……っ!!」
「……玲奈」
「はっ、はいっ」
「今俺が、なんて思ってるか分かる?」
「へ……っ?」
な、なにって……。
そんなの分からないよ……っ。
一樹くんのことを見てじっくりと考えてみるけれど、全然分からない。

