無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



「それなー」

「まあでも仕方ないんじゃない?
きっと朝倉さん、佐伯さんしか友達いないだろうし」

「ただちょっと顔がいいだけだもんね」

「そうそう!
私たちと全然話してくれないし、根暗っていうか。
実際どんな性格してるんだろうね?」

「実は何人も男垂らしてたりして」

「きゃははっ、なにそれウケるー!」



……うぅ、聞こえてるん、だけどな。


実際、彼氏なんて一人もできたことはない。


あんなの、ただの憶測にしか過ぎないのに。


私って、周りからそんなふうに思われてるんだな……っ。



「あー、もう我慢ならない」



すると、突然、私の向かいに座っていた琴葉ちゃんが立ち上がった。