無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



驚いたような颯太先輩の声で、一樹くんの顔は私から遠ざかってしまった。



それを少しだけさみしいと思ってしまう私は、本当に欲張りだと情けなくなる。



どこか甘いように感じた一樹くんの声は、あっという間に不機嫌そうな声になってしまって。



それに少しだけ驚いた。




「……あれ、でも染野先輩って、玲奈さんとのことで結構うわさになってましたよね?」




う……っ。



つまり、大勢の人が、一樹くんが私のことを嫌っていたことを知っているってことだよね……っ?



本当にちょっとだけだけど、複雑……。



でも、うわさになるのも仕方がないよね。



染野くんだって〝王子様〟って言われているんだもん。



それもそのはずだよね。





「あー、撤回しといてそれ」


「えぇ……」


「まあまあ琥珀。

そう言ってるってことは、きっとそういうことだから」