無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



「い、一樹くん……⁉」


「ん? そうだよ」




そう言ったかと思えば、ますます顔を近づけてくる一樹くん。



ち、近いよ……っ。



顔にどんどん熱が集まってくるのを感じるし、鼓動の音が一段と速いのも感じる。




「い、一樹くん……っ?」


「ん?」


「ち、近いよ……っ?」


「うん、知ってる」




私にとっては精いっぱいの抵抗だったのだけれど、一樹くんには余裕そうな表情でかわされてしまった。



一樹くんにとっては、これくらいなんてことないんだろうけど、私をドキドキさせるには十分すぎて。



なめらかそうな白い肌に、整いすぎた顔立ちをしている、私の好きな人。



その人の顔が今ドアップで私の瞳に映っているんだもん。



そして、一樹くんにつかまれている腕の部分が、異様なほどに熱い。



一樹くんの一挙一動に、過剰に反応してしまう。




「あれ、もしかして染野くんも?」


「……は」