無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



颯太先輩が、私を呼びに来たとき、まったく同じような光景を見た気がする。



あはは……、これじゃ私いけないじゃん……。



どうしようかなぁ……。



と、私がおろおろしていたところ。




「俺、玲奈さんに用があるんです。

どいてもらっていいですか」


「……っ⁉」




思わず息をのむ。



そこにいたのは、私の知らない琥珀くんだった。



琥珀くんは無表情のまま、低い声で女の子たちにそう言い放った。




『佐藤くんって、クールで不愛想って言われているのよ?』




ふいに、いつかの琴葉ちゃんの言葉がよみがえる。



あっ、え、ほ、本当にっ⁉



あのときは、さすがに冗談だと思っていたのに……。



でも、確かに今の琥珀くんには、そんな言葉がぴったりで……。



なんて考えているうちに、女の子たちは肩をびくりと震わせて、教室の中へと戻って行ってしまった。