無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



声のする方を、反射的に振り返る。



声の主は、琥珀くんだった。




「あっ、佐藤くんじゃん」




琥珀くんを見るなり、琴葉ちゃんはそう言葉をもらした。



そ、そっか……!



この間、一緒に話したもんね……!




「行ってきたら? 玲奈」


「う、うん……!

ごめんね、ちょっとだけ待ってて……‼」




既に食べ終わっていたお弁当のふたを閉める。



琴葉ちゃんの優しい瞳に見送られながら、私はドアのそばに立っている琥珀くんの方へと向かう。



向かったのだけど。



私が立ち上がったのとほぼ同時くらいに、クラスの女の子たちが琥珀くんを囲ってしまって。




「琥珀くんっ! 一緒にお昼とかどう⁉」


「わあ……、相変わらず美しい……」


「ちょっとだけ、私たちと話してみないっ?」


「な、何か用ですかっ‼」




あ、デジャヴだ……。