まるで、ずっと前からこうなることが決まっていたような、運命めいたものを感じてしまうんだよ。
……何言ってるんだろうな、俺。
玲奈への気持ちが、大嫌いから好きへと変わる瞬間。
この瞬間を大切にしたいと思ってしまう。
「……好き。好きだよ、玲奈」
一度溢れた想いは止まらない。
玲奈のサラサラとした柔らかい髪を、優しくなでる。
「……絶対落としてみせるから。
俺しか見えなくしてあげるから、覚悟しててね、玲奈」
俺の言葉に、少しだけ身をよじらせた玲奈。
だけど、起きることはない。
好きなんだよ、玲奈。
まるで、俺の中で欠けていたピースが埋まったかのように、その言葉を反芻する。
好きだと思う気持ち。
可愛いと強く思うこと。
俺の中の大きな独占欲。
その理由も全て。
俺が玲奈に恋心を抱いているからなんだ。
本当に、俺しか見えなくしてあげるから。
……待ってて、玲奈。

