無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



このソファ、窓のすぐ側にあるから、眠くなるんだよな……。



朝倉は、さっきまで出かけていたのも相まって、きっと疲れてしまっていたのだろう。




「ん……、染野くん……?」


「……えっ」




そんな玲奈の寝顔を見つめていると、突然玲奈が俺の名前を呼んだ。



……やば、起こしたかな……。



むにゃむにゃと動かしている口元。



だけど、その瞳は開かれることはなく、寝言だと気づく。



寝言で俺の名前なんか呼ぶなよ……。



本当に、反則だし、可愛すぎるから……。



衝動的に、優しく朝倉を抱きしめた。



起こさないように、そっと。




「あー、本当、可愛くてたまんない」




無意識にそんな想いを口にしてまえば、言葉はきっと溢れ出してしまうものなんだと思う。



可愛い。



俺の隣で、無防備な寝顔を見せている玲奈が。