無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる



……だれが見せるもんか。



なんて、意地っ張りになっていたからだろうか。



今日、玲奈が佐藤と先輩と会って帰ってきたといったとき。



あんなにも焦ってしまったのは。



あの表情を見られていたらどうしようと、俺だけのものにならないことに不満を抱いてしまった。



だから、玲奈を強引に壁へと追いやって、壁ドンという行為をしたんだ。



……はぁ……。



こういうの、独占欲っていうんだっけ……。



玲奈に対して、独占欲を覚えている?



俺が……?



でも、実際そうなのかもしれない。



……そして、玲奈を可愛いと強く思った理由。



彼女に対する独占欲が芽生えた理由。



……それは。



急に、右肩にこつん、と何かが当たった。



不思議に思って、右側へと視線を向ける。



すぐに視界いっぱいに映ったのは、気持ちよさそうな玲奈の寝顔だった。